"腰椎麻酔"という麻酔をしたことがありますか?
腰椎麻酔とは、
腰の腰椎の間から注射器の針を刺し
針をさして脳脊髄液中に麻酔薬を注入することで
胸から下半身を麻痺させる麻酔です。
脊椎麻酔も同じ意味を指し、
腰椎穿刺(ルンバール)とも言われます。
胸はだいたいみぞおちあたりから
下半身はお尻・足までしびれさせる麻酔です。
そのため、下腹部から足までの手術に
多く用いられます。
(昔は、そのような手術でも
全身麻酔がされていましたが
全身麻酔はそれなりにリスクがあることと
体への負担が大きいことから腰椎麻酔も多く
取り入られるようになっていきました。)
目次
腰椎麻酔の副作用で頭痛になる
しかし、この腰椎麻酔をした後で
ひどい頭痛が術後の一週間くらい続いた
という話をよく聞きます。
半身麻酔後なぜ頭痛がするのか、
と不安に思う方も
多くいらっしゃいますが
これ、実は合併症なのです。。
脊髄麻酔後頭痛(別名:PDPH)といいます。
結構ひどい頭痛なのですが、
自然治癒するため治るのを
待っているしかないというのが
現状です。。
腰椎麻酔の頭痛の原因は?
この脊髄麻酔後頭痛の原因ですが、
髄液が漏れることが原因です。
腰椎麻酔の際に、
くも膜を針で穿刺することになりますが
そのときに髄液がもれる原因となる傷を
くも膜に作ってしまうことがあります。
(それほど多いわけではなさそうです。
数%程度です。)
関連記事:腰椎麻酔の頭痛は夏に急増!?原因と対処法について
一時期、交通事故にあってから
ひどい頭痛に悩まされるようになったという方の
特集をテレビでたくさん取り上げられていましたが
あれも髄液が漏れることが原因でした。
では、髄液が漏れることで
なぜ頭痛が起きるのかと言うと
髄液が漏れることで脳圧が下がってしまうからです。
人の脳は、
髄液に浮かんでいる状態なのです。
それが普通の状態なのに、
髄液が漏れてしまうことで
脳が下がってきてしまう。
そのため頭痛やめまいに
悩まされる方が多くなる、
ということです。
(脳脊髄液減少症という病名もあるのです。
同じく、頭痛やめまい等の症状が出ます。)
腰椎麻酔で頭痛が起きた場合の期間はどれくらい?
腰椎麻酔の頭痛であれば、
発症から1週間、長くて2週間で治るはずです。
ただ、起きていると痛みがでる
横になって休むと痛みがやむという
ものなので学校へ行ったり働いたり
と言うのはかなりつらいです。
髄液が漏れても、体内で髄液が元の量まで
作られれば脳圧は元に戻るため
そこまで心配することはありません。
腰椎麻酔の頭痛には水分をとれ?
先ほども言いましたが
腰椎麻酔をしたことで起きる頭痛の原因は
『髄液が漏れることで脳圧が下がってしまうから』です。
そのため、お医者さんによっては
腰椎麻酔後に頭痛がするときは
水分を多くとるようにと言われることもあります。
脳の髄液の生産量を増やすため、ですね。
頭痛がなかなか治まらず、
自分もそうした方がいいのか不安な場合は
一度お医者さんに聞いてみてくださいね。
腰椎麻酔の頭痛、カフェインはNG
しかし、いくら水分を良くとれと言っても
カフェインを含むような飲み物はダメです。
有名な話ですがカフェインは利尿作用があるため
せっかく水分を取ろうとしても体外に
出ていってしまいます^^;
コーヒーやお茶など、カフェインを多く含むものは
なるべく避けるようにしてくださいね。
腰椎麻酔の頭痛の治療
より治療法らしい治療法としては
ブラッドパッチというものがあります。
これは、患者さん自身から採取した血液(ブラッド)を
髄液の漏れを起こしている穴に注射することで
血で固めてふさぐ(パッチ)というものです。
ただ、これは4日間から7日間の入院が
必要となるのでかなり頭痛のひどい人が
行うものと言う感じがします。
頭痛やめまいがすると、
何もする気にならないものです。
とにかく、体を休めることに
重きを置いてください。